DVD+RW に関する議論のほとんどは、メディアを再生できないドライブに関することでしょう。
DVD+RW アライアンスは、DVD-ROM ベンダがわざと再生できないようにしているのだと非難するのに躍起になっています。
でも実際は認識できないフォーマット [lead-in の “Control Data Zone” にある
“Book Type” フィールドのこと] を DVD-ROM として扱うことを明示していない仕様に問題があるのであり、文句をいったり、すべてのドライブで再生できることを期待するのは筋違いというものです。
すべての DVD+RW ベンダ [古くからの DVD+RW ベンダも、Sony,NEC,TDK のような最近参入したベンダも]
はこの仕様の欠陥を認識しており、“Book Type” フィールドの扱いはベンダ固有の隠しコマンドによってなされているという状況です。
ですから DVD+RW メディアのマウント/再生に失敗した場合、次を試してみてください。
dvd+rw-booktype -dvd-rom -media /dev/scdN
繰り返しますが、これは全てのベンダがサポートするわけではないため、どんなドライブでも通用すると期待してはいけません。
lead-in が書き込まれる前 [つまり最初のセッションがクローズされる前] の
DVD+R メディアで “Book Type” が扱えないのは自然なことです。 しかし次のようにドライブをプログラムし、lead-in
書込みを行わせることで “Book Type” とすることができるかもしれません。
dvd+rw-booktype -dvd-rom -unit+r /dev/scdN
つまり DVD+R メディアの再生がうまくいかないくても、諦めてしまうことはないということです。
dvd+rw-booktype に関する詳しい情報は dvdplusrw.org の “Compatibility Bitsettings” という記事を参考にしてください。
DVD+RW(*) の論理フォーマットに関する非互換性の問題はまだ潜在しますが、公式には上で述べた
“Book Type” の問題だけが認識されていることになっています。 それはそうでしょう、それが
DVD+RW メディアベンダだけに関わる問題ですから。
他の非互換性の問題を議論するには DVD['-ROM'] ドライブベンダの協力が必要ですが、DVD+RW
フォーマットが DVD フォーラム(**)から承認されていない [多分これからも承認されることはない] ことに触れたくないためか表面化していません。
(*) DVD-ROM の “Book Type” としてファイナライズされた DVD+R メディアは事実上
DVD-ROM と同一です。
(**) 私はどちらに肩入れするというわけではありません。 DVD フォーラムは DVD+RW
アライアンスと同様の製造企業連合でしかありません。 ですから誰かが技術開発上の主導権を握ることを止めさせる権利は誰にも
[どの団体にも] ありません。
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