growisofs による DVD-R['W'] の書込みにおいて、書込み速度を指定するための特別なオプション-speed=X が使えます。 お使いのメディアが有名なブランドの物であれば、多分このオプションは不要です。
ドライブがうまく (automagically) 最適な速度を選ぶはずです。
これに対し、ノーブランドのメディアの場合は -speed=1 が必須かもしれません。 報告によれば、あるドライブはノーブランドのメディアで速度選択に失敗し、結果として最高速になってしまうようです。
つまりメディアの能力を越える速度で書込みが行われ、再生できないディスクが出来上がります。
この状況はファームウェア (のバージョン) によって異なるようです (特に Pioneer
製ドライブのユーザはここを参照してください)。
-speed オプションを使う場合の一般的な問題として、4倍速のメディアで -speed=4 と明示的に指定しているにもかかわらず、実際の書込み速度が遅くなる場合があります。
これは特定のブランドがそのドライブのファームウェアでサポートされていないために起こる問題で、アプリケーションの問題ではありません。
growisofs はそのドライブがサポートする速度リストの中で、オプションで指定された速度に最も近いものを選ぶようドライブに指示しています。
この速度リストはメディアがロードされるたびに更新されるもので、dvd+rw-mediainfo
コマンドを実行すれば確認できます。
SONY のサポートページからの引用ですが、 “市場に出回るディスクには品質や性能が要求水準に満たないものがある”
とされています。 具体的にはどのようなトラブルが起こるのでしょう? 報告された例をいくつか挙げてみます。
DVD-RW なのに1回(あるいは2〜3回)しか書けない,ブランキング/フォーマット処理は成功するのにデータの書込みをしようとすると欠陥エラーになる,特定のドライブでしかブランキングができない,本来の容量の
95% あたりで DVD-R の書込みに失敗する,“INCOMPATIBLE MEDIUM” エラーが出て書込み開始できない,などなど。ほとんどの場合、別のブランドのメディアに替えれば解消するようです。
Restricted Overwrite モードにおける DVD-ROM/-Video との互換性についていえば、再生性
(Playability) は、DVD+ の lead-out の問題 (古いドライブで未使用メディアのキャリブレーションに失敗する問題,詳細は「互換性に関する注意」を参照) と似た理由により限界があるようです。
Restricted Overwrite モードで記録されたメディアが読み込めない場合は、次を試してみてください。
'growisofs -M /dev/scd0=/dev/zero' でディスクを満杯にしてみてください。 それでもうまくいかない場合は、
- シーケンシャルモードで再書込みしてください
今後のテストを容易にするため、またブランキング処理にかかる1時間を節約するため、growisofs
バージョン 5.6 から DVD-RW の DAO 記録のサポートを開始しました (DVD-RW
だけです)。 DAO 記録では追記できないことが growisofs の精神に反しますが
:-)
またバージョン 5.6 ではすべてをドライブに任せることをやめ、書込み前に OPC
(Optimal Power Calibration) を実行することを明示的に指示するようにしました。
これは必ずしも “良い事TM” とはいえないかもしれません。 なぜならファームウェアに書かれているメディアのプロファイルは、自動キャリブレーションで得られるものより適切である可能性を否定できないからです。
私はドライブが READ DISC INFORMATIONコ マンドの応答として OPC ディスクリプタを返すかどうか
[もし返されたなら、実際はファームウェアに定義されている値が返されるのではないかとの予測のもと]
チェックしてみているですが、今のところそのようなドライブに出会ったことはありません。
誰かこのことに詳しい方がいたら教えてください。
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