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資料2: growisofs(1m) ver.5.19 man page [日本語]


GROWISOFS(1m)

名 称

growisofs - mkisofs のフロントエンドとして動作するDVD 書き込みプログラム

書 式

growisofs ['-dry-run'] ['-dvd-compat'] ['-overburn'] ['-speed=1'] -['Z|M'] /dev/dvd <mkisofsオプション>

概 要

当初 growisofs は mkisofs のフロントエンドとして、DVD+RW, DVD-RAM, 通常のファイル, ハードディスクパーティションなどのランダムアクセスメディア上にある ISO9660 ボリュームへのデータ追加を行う目的で作られた。

その後、汎用のDVD 書き込み機能が組み込まれ、現在ではランダムアクセスメディアだけでなく、DVD+R や DVD-R/-RW などのマルチセッション DVD メディアのマスタリングにも対応している。

さらに、growisofs は UDF,ISO9660 形式などのイメージファイルによるマスタリングもサポートしている。これはそのイメージファイルを、マルチセッションにおける最初のセッションまたは単にシングルセッションとして書き込むことで実現されるため、全ての DVD メディアに対応可能となっている。

オプション

オプションは次の通り。

-Z /dev/dvd
指定されたデバイスに対し最初のセッションを書き込む。 またこのオプションはイメージファイルを使ったマスタリングにも使われる。 その方法の詳細は使用例を参照。
-M /dev/dvd
既に存在するセッションに新しいセッションをマージする。
-version
growisofs のバージョン情報を表示する。 同時に mkisofs を -version オプション付きで起動する。
-dvd-compat
DVD-ROM/-Video メディアとの互換性を最優先させる。 これにより DVD±R メディアではファイナライズ処理が行われるため、以降の追記はできなくなる。 また DVD+RW メディアでは lead-out を書き込むことをドライブに指示する。
-dry-run
最初の書き込み動作の直前で処理を終了する。 mkisofs も起動されるが、やはり書き込みを行う前に終了させられる。 このオプションは “overburn” の可能性をチェックするのに有効である。
-overburn
“overburn” のチェックを無効にする。 通常 DVD メディアの記録可能容量は 4,700,000,000 バイトである。 つまりよく言われる 4.7GB は業界用の表現であって、実際は 4.377 ギガバイト,または 4,482 ミリオンバイトとするのが正しい。
このオプションが指定されないと、 growisofs はその容量を越える書き込み、すなわち “overburn” が起こる可能性がある場合は書き込みを行わない。
-speed=N
書き込み速度を明示的に指定する。 通常指定する必要は無いが、ノーブランドのDVD-R['W'] メディアなどでデフォルトの速度による書き込みがうまくいかない場合 -speed=1 とすることで書けるようになる可能性がある。 N で指定できる値はドライブとメディアの組み合わせで決まり、 dvd+rw-mediainfo コマンドの出力で確認することができる。 ちなみに実際の記録速度は N × 1385KBps となる。
<mkisofsオプション>
mkisofs の man page を参照。 次の制約を除けば全てのオプションが利用可能である。
  • -o オプションは使わない。 growisofs が書き込みイメージを直接メディアにダンプするため。
  • -C オプションは使わない。 マルチセッションディスクへの新規セッション作成は growisofs によって行われるため。
  • mkifofs のバージョンは 1.14 以上であること。 またマルチセッションでのライトワンスレコーディングを行うためには mkisofs バージョン 2.0 であること。

使用例

実際のデバイス名はオペレーティングシステムによって異なる。 /dev/dvd という書き方はそれを一般的に表したものであるが、実際のデバイスファイルへのシンボリックリンクと考えてもらっても差し支えない。

実際のデバイスファイルとは、Linux では通常 ide-scsi 経由となるため、“/dev/scd0” のようになる。 NetBSD/OpenBSD ではキャラクタ型 CD-ROM デバイスの “/dev/rcd0c” のようになる。 Solaris ではやはりキャラクタ型 SCSI/ATAPI CD-ROM デバイスの “/dev/rdsk/c0t1d0s2” や “/vol/dev/aliases/cdrom0” などのようになる。 HP-UX や IRIX でも同様に対応するデバイスファイルが存在する。

Joliet と Rock-Ridge 拡張フォーマットで ISO9660 ボリュームの DVD ディスクをマスタリングするには、

growisofs -Z /dev/dvd -R -J /some/files

とする。

このディスクにデータを追加するには、

growisofs -M /dev/dvd -R -J /more/files

とする。 このように最初の書き込みと次の書き込みで同じオプションを指定することが重要である。

事前に作成された ISO イメージファイルから DVD ディスクへの書き込みを行うには、

growisofs -dvd-compat -Z /dev/dvd=image.iso

のようにする。 ここで image.iso は ISO イメージファイルであるが、通常のファイルシステムにおける名前付パイプやデバイスエントリなどのオブジェクトであっても良い。 ただ growisofs という名前に反し、この使い方では何も grow しない。

注意

sudo(8) から growisofs を実行することはできない。 これは以下に示すセキュリティ面での配慮からである。

growisofs は書き込みを行う際、DVD メディアに既に記録されているデータセットを読み取ることになる。 これは growidofs が直接メディアに書き込む場合 (イメージファイルによる書き込みの場合) も、mkisofs を使って ISO9660 イメージを生成させながら書き込む場合も同様である。 つまり sudo(8) を実行した人は、メディア上の既存のデータを自由に読むことができてしまうということである。

さらに growisofs は mkisofs 実行ファイルのパスを環境変数 MKISOFS から得ることができるようになっており、これを悪用することで任意のプログラムを root 権限で実行されてしまう危険性がある。 このような危険性を認識した上でなお sudo(8) による実行を可能としたいのなら、次のように growisofs バイナリファイルを他のスクリプトで置き換えることを検討すべきである。

#!/bin/ksh
unset SUDO_COMMAND
export MKISOFS=/path/to/trusted/mkisofs
exec growisofs "$@"

ただしあくまでも最善の方法は growisofs を set-root-uid としてインストールすることである。 そのようにインストールされた growisofs は、不当な権限によるデータへのアクセスおよび mkisofs の起動を防止することができるからである。

既に isofs で使われているメディアに対し growisofs が -Z オプション付で非対話式に実行された場合 (例えば cron などから呼ばれた場合) 、“FATAL:/dev/dvd already carries isofs!” となって失敗する。 これはメディアが ISO9660 ファイルシステムをもつ場合のみであり、他のファイルシステム (例えば UDF など) では問題なく実行できる。

事前にマスタリングされたイメージを使った書き込みにおいて、 “overburn” プロテクションは、ソースが ISO9660 フォーマットのイメージファイルである場合にのみ有効である。 例えば 4.7GB より大きいファイルシステム /dev/root において、 /dev/dvd=/dev/root とした場合はプロテクションは働かず、現実に “overburn ” になってしまう。

DVD+RW の再フォーマットはメディアのブランキング (データ消去) の意味をもたないことに注意が必要である。 プライバシー保護などの目的でデータ消去を行いたいのなら、明示的に 'growisofs -Z /dev/dvd=/dev/zero' とすべきである。

旧型の DVD-ROM/-Video プレーヤを使って DVD+RW や DVD-RW のようなリライタブル DVD メディアを再生しようとするとうまくいかないことがある。 これはほとんどの場合それらのメディアの反射率がDVD-ROM/-Video よりも低いことに起因する。

growisofs ではライトワンス DVD メディアでのマルチセッションをサポートしているが、読み込めるのは最初のセッションだけとなってしまう場合がある。 この原因として以下の理由が考えられる。

  • すべての DVD-ROM プレーヤが DVD-R のマルチボーダー再生が可能なわけではない。また DVD+R のマルチセッションはほとんどサポートされていない。
  • 何らかの理由により OS がマルチセッション DVD のマウントに失敗する。

ただしこれらの理由は DVD-RAM や Restricted Overwrite モードで焼かれた DVD+RW と DVD-RW には当てはまらない。 なぜならそれらは シングルセッション内でボリュームを増やしていく方式で記録されているからである。

SEE ALSO

dvd+rw-tools の最新バージョンは http://fy.chalmers.se/~appro/linux/DVD+RW/ に存在する。

作者

プログラムとオンライン情報の作者は Andy Polyakov <appro@fy.chalmers.se> である。

この man page は現在 Huub Reuver <h_reuver@man-tell.xs4all.nl> によって保守されている。

ライセンス

growisofs は GNU GPL のもとで配布されている。

日本語訳

石川泰光 (ishikawa@ioss.jp)
本ドキュメントの再配布は上記ライセンスに従う限り自由とする。ただし本翻訳物に関する著作権は放棄しない。
2004年4月30日

Version 5.19 4 April 2004 GROWISOFS(1m)





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